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『日本はなぜ敗れるのかー敗因21か条』を読んで その3

しかも動員につぐ動員で「兵隊にとられない」といえば「あの人、健康そうだけど、どこか体が悪いのじゃないかしら」と変な目で見られかねないのが実情である。

 進学につぐ進学で「高校に進学できない」といえば「あの人、健康そうだけど、どこか悪いのじゃないかしら」と変な目で見られかねないのが実情である。こういう状態では学業に嫌気が差す。

もちろん軍は、このモラールの低下を知っている。そして知っているがゆえにあらゆる方法で人為的に「戦意高揚」を図ろうとする。「人工的高揚」の産物である様々な「企画」は、やれ「祝典」、やれ「旗行列・提灯行列」、やれ「国民儀礼」、やれ「壮行会」等の連続で驚いたことに、戦地ですらこの「景気づけ」をやっており、…

 これは、

 もちろん学校は学業モラールの低下を知っている。そして知っているがゆえにあらゆる方法で人為的に「学業意識高揚」を図ろうとする。「人工的高揚」の産物である産物である様々な「企画」は、やれ「運動会」、やれ「組体操」、やれ「文化祭」、やれ「壮行会」、やれ「二分の一成人式」等の連続で驚いたことに、小学校ですらこの「景気づけ」をやっており、…

 と書き換えることも可能であろう。

 低下した学業意欲・学校継続意欲を、行事と部活で高揚させる。効果が切れれば更なる意欲の低下が起こる。再び、行事と部活で意欲を向上させる。しかし、効果はいずれ切れ、意欲の更なる低下が起こる。まるで麻薬依存症である。教員は行事と部活に労力をすっかり吸い取られ、授業は空洞化する。

 この悪循環は結局、最終的にすべての人間を、虚脱状態にしてしまう。全日本的虚脱状態は、何も、短期間で生じたのではない、実は八年がかりで到達した状態なのである。 そして「心理的高揚」「心理的解決」に同調しない者を「敗戦主義者」として糾弾する。

 太平洋戦争の状況と、現代日本の教育がダブるのは気のせいか…。

 心理的解決といえば、多忙感の解消という言葉もそれだ。多忙を解消するのではなく多忙感を解消しようとする文部科学省。「心理的解決」は目指そうとするが、根本的な現実を解決しようとしない。多忙に感じている心理的状態ではなく、実際の超過勤務の時間をゼロにするための施策こそが必要なのである。文科省は現実を見るべきだ。